ここでは、クリニック開業時の平均年齢と開業に適した年齢などを解説しています。
クリニック開業時の平均年齢を調べた調査として、社団法人日本医師会が2009年に発表した「開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査」があげられます。同調査によると、新規開業時の平均年齢は41.3歳です。また、新規開業における開業後年数別開業年齢は次のようになっています。
開業後年数 | 平均年齢 |
5年以内 | 44.9歳 |
5~10年 | 43.5歳 |
10~20年 | 41.7歳 |
20~30年 | 39.4歳 |
30年超 | 37.5歳 |
開業後年数が短いほど平均年齢は高くなるため、近年は病院などで経験を積んでから開業する医師が多いと推測できます。
クリニックを開業すると、標榜科によってはさまざまなお悩みを抱えた患者が来院します。専門分野以外の知識や技能を求められることも少なくありません。また、心身の健康のみならず、家族関係や経済状況に配慮しつつ、関係機関と協力しなければならないこともあります。こうした事情からクリニック開業は一定のキャリアを経てから行うのがよいとされ、基本的な知識・技能を習得するのに5年程度、身に着けた知識・技能を定着させるのに5年程度かかると考えられています。そのため技能面においては、10年程度のキャリアを積んだ30代後半以降がクリニック開業に適した年齢といえるでしょう。
クリニック開業に欠かせないのが開業資金です。多くの場合、金融機関から融資を受けます。返済期間を10~20年、完済年齢を65歳と考えると、45~55歳がクリニック開業に適した年齢といえます。もちろん、45歳以下で借り入れをして、早めに完済することもできます。若い段階で借り入れをする主なメリットは、返済期間にゆとりをもたせやすいこと事業展開に幅をもたせやすいことです。資金面から開業年齢を考える場合は、45~55歳をひとつの基準に据えるとよいかもしれません。
クリニック開業は心身に大きな負担をかける取り組みです。経済的な負担も小さくありません。人生に与える影響が大きいため、ライフプランに位置付けて検討を進めることが大切です。結婚・出産・マイホーム購入・子供の受験などと並ぶライフイベントとしてクリニック開業を捉えると、人生に与える影響を理解しやすくなるでしょう。例えば、子供の学費を用意するため、○○歳までに開業しなければならないなどが見えてくるはずです。
クリニック開業にあたり、心身に大きな負担がかかります。また、実際に開業すると勤務医時代とは異なるストレスに直面するでしょう。一定の気力・体力を求められるため、自身の健康状態と相談しながら開業年齢を決定することも大切です。知識や技能、経験は年齢を重ねると増しますが、気力や体力は年齢を重ねると減ります。両者のバランスを考えることも欠かせません。
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