福岡市の医療需要は今後右肩上がりに増え続けると予想されています。
日本医師会が運営する地域医療情報システムJMAPが公表している、福岡市の医療需要指数(2020年の国勢調査に基づく需要量=100として指数化したもの)によると、2045年には医療需要が30%増加する見込みです。
福岡市では、10年以内に65歳以上の人口が増えると予想されています。特に75歳以上の後期高齢者が著しく増加すると推測されているため、内科の需要が増える可能性が高いでしょう。
一方で、14歳以下の人口は減少すると予想されており、小児科の需要はこの先どんどん低くなっていくと推測できます。
福岡県の中でも、人が集まりやすくにぎわっている福岡市はクリニック開業において人気の高いエリアです。どの診療科目においても、全国的にみて競合性が高いエリアだといえます。
特に、内科・外科はすでに一般診療所の数が多く、競争率が高い状態。福岡市内で比較的競合性が低い診療科目としては、小児科・産婦人科が挙げられます。
2021年11月時点の地域内医療機関の集計情報によると、福岡市で活躍している医師数は約5,728名にものぼります。人口10万人あたりの医師数は約334名で、全国平均の約250名を大きく上回っていることから、全国的にみても医師の数が多い地域だと言えるでしょう。勤務医が供給過多な状態にあるため、独立開業を考えるドクターが多い傾向にあるのかもしれません。
福岡市内で開業したクリニックの事例を取り上げています。開業場所の立地や注目ポイント、開業支援を依頼した会社などについて紹介しているので、これから福岡市内で開業したいと考えている方は参考にしてみてください。
2020年11月に福岡市中央区で開業した事例です。開業支援を行ったのは調剤薬局を運営するメディカルシステムネットワークという会社で、1階にさくら薬局を併設しているのが特長。2階はなかむら内視鏡・内科クリニックのフロアとなっています。
医療専用ビルで、歩道・車道から見えやすい看板が設置されており、近くにコンビニやバス停、PayPayドームやマークイズ福岡ももちがあるため、集患しやすい環境だといえるでしょう。
会社名 | 株式会社メディカルシステムネットワーク |
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所在地 | 福岡県糟屋郡新宮町緑ヶ浜4-17-22 |
電話番号 | 0800-500-5710 ※音声案内後に⑥をプッシュ |
電話受付 | 9:00~18:00(定休日:土・日・祝日) |
公式サイトURL | https://www.msnw-kaigyou.jp/ |
メディカルシステムネットワーク
の
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福岡市早良区の開業事例です。西梅林バス停から徒歩1分の場所にあり、8台収容の駐車場も完備。コスモ調剤薬局を併設しているのも特徴です。
開業支援を担当したのはM.Sメディカル。院長は土地を紹介された際、社長の人柄を信用して、開業支援を依頼されたそうです。
会社名 | M.Sメディカル株式会社 |
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所在地 | 福岡県福岡市中央区六本松3-1-58 リード桜坂1F |
電話番号 | 092-722-0498 |
電話受付 | 記載なし(定休日:記載なし) |
公式サイトURL | http://www.msmedical.co.jp/ |
福岡市西区のレディースクリニックの開業事例です。清潔感のある白と女性らしいピンクをあしらった外観、広々とした駐車場が特徴的。
道路から見えやすい看板や雨の日でも濡れずに移動できる庇などから、利用する患者さんへの配慮が感じられます。
会社名 | 株式会社キシヤ |
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所在地 | 福岡県福岡市東区松島1-41-21 |
電話番号 | 092-622-8000 |
電話受付 | 9:00~18:00(定休日:土・日・祝) |
公式サイトURL | http://www.kishiya.co.jp/business/medical/sinkikaigyo/ |
15歳未満 | 22,000人 |
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15歳~64歳 | 144,000人 |
65歳以上 | 42,000人 |
福岡市全体では、2040年頃を目途に医療需要が30%増加する見込みです。
特に65歳以上の人口増加が予想されるため、内科や循環器内科、消化器内科などの需要が高まると考えられる一方で、14歳以下の人口は減少傾向にあり小児科の需要は低下する可能性があります。
地域密着型として新たな診療科ができることは住民にとって嬉しいことではありますが、先々の人口推移や地域の発展性については念入りな検討が必要となります。
福岡市西区は福岡市の中でも人口増加が著しいエリアであり、特に九州大学伊都キャンパスの移転に伴い、周辺地域の開発が進んでいます。
これにより若年層やファミリー層の流入増加が期待でき、近々の立地環境としては地域の活性化が想定されています。
地下鉄やJR筑肥線などの公共交通機関も充実しており、天神や博多へのアクセスが良好ですし、ショッピングモールや医療施設・教育機関も多く生活環境が整っています。
福岡市西区は、姪浜駅を中心とした交通網が充実しており、地下鉄やJRを利用すれば、博多や天神などの主要エリアへのアクセスも非常に良好です。また、国道202号線や福岡高速道路も走っており、自動車利用においても利便性が高い地域です。
福岡市西区は、医療施設、公園、ショッピングモール、教育・子育て支援制度が整備されており、特に子育て世代にとって魅力的な地域です。出産・子育て応援給付金、子ども医療助成制度、さらには第3子優遇事業などの制度により、家庭の経済的負担が軽減され、安心して子育てに専念できる環境が提供されています。
15歳未満 | 44,456人 |
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15歳~64歳 | 196,959人 |
65歳以上 | 69,510人 |
福岡市東区でのクリニック開業を検討する際は、地域の医療需要や競合状況の把握が欠かせません。一般内科、循環器内科、精神科は福岡市に診療所が多く集まり、開業しやすい可能性があります。全体像を捉え、計画を十分に立てることが重要です。立地選定や診療圏調査も慎重に行いながら、成功へ向けて準備を進めることが大切です。
一般内科は風邪や頭痛など日常的な症状に対応できる点が強みです。アクセスの良い場所に開業すれば、幅広い患者層を獲得しやすくなります。福岡市には内科が集中しているため、立地選びが重要です。地域住民の需要に合わせた診療体制を整えることで、安定した集患が期待できます。
循環器内科は高齢化が進む地域で特に需要が高く、心疾患や血管疾患など慢性病の管理を行うため、継続的な通院が見込める特徴があります。
東区の人口動態を踏まえた立地選定が安定経営につながるでしょう。
精神科は専門性が高く、心の不調を抱える患者が遠方からも来院する傾向があります。
開業に際しては、専門的な設備やスタッフ体制を整えることが大切です。カウンセリング環境やプライバシー保護への配慮も重要です。
クリニックを開業する際、地域の患者さんのニーズに応えるためには、年代ごとの疾病傾向を把握し、それに合わせた診療科目や検査体制を整えることが大切です。
30代では生活習慣病に加え、胃や肺、大腸などのがん検診が必要になってきます。
40代になると高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病が増加し、がんの死亡率も上昇します。そのため、複数の臓器を定期的にスクリーニングして早期発見に努められる体制を整えることが大切です。
50代になると、がんや心臓病、脳血管疾患などの重大疾患リスクがさらに高まります。脳検査としてMRIやCTなどの精密検査を対応できるようにするか検討しましょう。
福岡市においては、認知症は高齢化社会の中で深刻な課題の1つです。厚生労働省の報告によれば、2012年には65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症と診断され、将来的には65歳以上の高齢者の約5人に1人になるとの予測があります。
福岡市でも、2020年時点で約37,610人、2025年には約43,690人にまで患者数が増加すると見込まれております。
認知症の症状は、記憶障害や見当識障害、判断力の低下などの中核症状に加え、本人の性格や環境の影響を受けた行動・心理症状も含まれます。こうした症状は、本人のみならず家族にとっても大きな負担となるため、早期発見と適切な治療、そして地域全体での支援が不可欠です。
福岡市では、認知症サポーター養成講座や認知症医療連携事業、さらには認知症疾患医療センターの設置など、多角的な支援体制を整えております。地域包括支援センターやいきいきセンターふくおかなどの相談窓口も設けられ、認知症の早期発見と治療、また家族の不安を解消するための取り組みが実施されています。
これらの施策は、認知症患者本人とその家族が安心して生活できる環境を構築するために、大変重要な役割を果たしております。
令和7年4月、福岡市保健所は、市内の保育所において感染性胃腸炎の集団感染が発生したと公表しました。報告によると、園児8名と職員1名の計9名が嘔吐や下痢などの症状を訴え、検便の結果、ノロウイルスが検出されたとのことです。
この保育所では、急速な感染拡大に対応するため、以下の対策が講じられました。
ノロウイルスは感染力が強く、わずか数十個のウイルス粒子でも感染が成立するといわれています。さらに、アルコール消毒が効きづらい性質を持ち、次亜塩素酸による消毒や石けんを用いた手洗いの徹底が推奨されます。今回の集団感染事例は、保育現場における基本的な衛生対策の重要性を改めて考えるきっかけとなりました。
令和7年3月には、別の市内保育施設でも感染性胃腸炎の集団感染が確認されています。この施設では複数の園児がほぼ同時期に嘔吐・下痢を発症し、ウイルス性胃腸炎が疑われ、感染経路の特定に向けた調査が開始されました。
福岡市保健所は、以下のような迅速な対応を取りました。
短期間で2件のノロウイルス関連の集団感染が報告されたことは、市内の保育施設に対して改めて感染予防の必要性を促す機会となりました。保護者の家庭内対策も重要であり、二次感染を防ぐための教育啓発も必要です。
これらの事例は、保育施設のような集団生活の場では感染リスクが高いことを改めて示しています。しかし、こうしたリスクは医療機関にも存在します。中でもクリニックは、日常的に幅広い年代の患者が訪れる場であり、特に高齢者や基礎疾患を持つ方の来院も多いため、感染症対策が重要な役割を担う現場といえます。
クリニックで実施すべき感染症対策は以下の通りです。
また、スタッフへの定期的な感染対策研修や、感染症発生時の初動マニュアル整備も不可欠です。クリニックが「地域の感染防御の前線」として機能するには、医療従事者・患者・地域社会が一体となって取り組む姿勢が求められます。
クリニック開業を成功させるには、その地域ならではの情報と開業の流れを熟知しているプロに相談するのがおすすめです。当サイトでは、福岡エリアのクリニック開業支援実績があり、無料で開業支援サービスを提供している会社を厳選。
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