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クリニック開業医の失敗事例

過剰な設備投資による
資金ショート

産婦人科クリニックを除けば、普通のクリニックで借入金が2億円を超えるような開業はありません。また、地方の一戸建てでも考えにくい話です。親からの担保提供や資金提供等、例外的なことがない限り、過剰な設備投資は避けたほうが良いでしょう

例えば、小児科とか糖尿病内科の場合、レントゲンの購入は過剰設備と言えます。小児科では小さい子どもを抑えてレントゲン撮影したとしても、鮮明な画像を撮影するのは困難です。また、糖尿病内科では、特定健診などをする余裕などなく、5年後には物置になっているケースも少なくはありません。レントゲンに関する機器やシステムなど購入すると、800万円から1,000万円の費用が掛かります。

スタッフの対応による
クリニックの評判低下

看護師や理学療法士、臨床検査技師が必要な診療科もありますが、医療事務などの科目でも必要になります。しかし、良いスタッフを採用しても、スタッフ教育や育成制度が整っていないと、患者さんからの評価が低下し、患者さんが離れていく事例もあります。

スタッフが
集まらない・定着しない

患者さんからの評価を落とすようなスタッフしか採用できないとか、採用さえできないクリニックもあります。求人の給料額を高く設定すると採用できると考えるクリニックも中にはありますが、クリニックの経営体制によっては、スタッフが定着せず、常に募集しているクリニックもあります。

開業後の集患不足

患者さんに困っていないので、ホームページを持たないというクリニックもあります。また、ホームページは持っているが更新はしていないというクリニックもあります。しかし、感染症のまん延などの影響で、患者さんの受診動向が大きく変わり、最近では、ネット戦略なしでは集患が難しい状況です。さらに、今後10年もすれば、新しく開業するクリニックに、どんどん患者さんもスタッフも取られていく状況になるでしょう。

運転資金不足

これは、冒頭で紹介した「過剰な設備投資」とセットになっていることが多いのですが、銀行も融資できる限界があります。銀行も事業計画の数字を入れると自動的に融資の総額について融資の可否判断ができるシステムをメガバンクは作っています。地方銀行は人の力に頼っていますが、過去の経験から融資の可否判断をしています。開業時の建物や設備にお金を回し、運転資金を抑えてしまった結果、運転資金ショートとなってしまうクリニックもあります。

医療広告の知識不足

医療業界の広告には、医療広告ガイドラインに遵守した内容でなければ、行政の立ち入り検査や是正命令、あるいは罰則の対象になってしまいます。また、平成30年6月の医療法が改正され、医療機関のウェブサイトも医療法の法規制の対象になっています。この医療広告の知識不足により、立ち入り検査や罰則を受けたクリニックもあります。

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