在宅医療のみを実施する医療機関を開業する場合は、厚生労働省「在宅医療のみを実施する医療機関に係る保険医療機関の指定の取扱いについて」の要件である、無償診療所であることや、外来型クリニック以上に他の施設や基幹病院、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所などの連携を通じて患者さんのサポートにあたることが求められています。
その他に、診療時間外の緊急時でも、随時連絡に応じる体制を整えていること（24時間、365日の医療体制が必ずしも必要ではありませんが、24時間365日の体制は必要）などの開設要件を満たす必要があります。これらの要件を満たすことで、在宅医療は、外来に比べ一人あたりの診療報酬が高く設定されています。
さらに、地域施設との継続的な連携をすることで、施設からの紹介も増え、クリニックの経営が安定しやすいなどメリットも多くあります。その他、外来診療に比べ医療機器が必要ない分開業資金を抑えることもできます。
在宅療養支援診療所の届け出を行っていない医療機関でも、在宅診療を行うことはできます。在宅診療支援診療所の場合は、算定できる診療報酬の点数が高くなることから、本格的な在宅診療を行うクリニックを開業する際には、届け出をすることをおすすめします。
また、在宅診療支援診療所の場合、在宅時医学総合管理料の届けを行うことで、機能強化加算の届け出要件も満たすことができます。ただ、届け出も行うことで、24時間対応が可能な体制を整える必要があります。このことから、それほど多くの在宅患者を診ていない医療機関で、24時間対応の必要性が少ない在宅患者が多い場所で開業するなら、在宅療養支援診療所で開業する必要性は少なくなります。
在宅診療を開業する際は、在宅医療専門に行う在宅支援診療所とするか、訪問診療・往診を中心に取り組む在宅療養支援診療所とするかの判断が必要です。
在宅医療を専門にクリニックを開業する場合には、厚生労働省「在宅医療のみを実施する医療機関に係る保険医療機関の指定の取扱いについて」の要件を満たす必要があり、ハードルも高くなりますが、一方、総患者数の5％以上を外来患者とする訪問診療・往診を中心に取り組む在宅療養支援診療所で開業し、クリニックの経営が安定し、訪問患者が増えてきた際に、在宅専門のクリニックへ軌道修正を行うことをおすすめします。
2025年までに、団塊の世代が後期高齢者になり、介護・医療費など社会的補償費が急増すると言われています。この問題を解消するために医療提供体制の見直しが急がれています。国は病院のベッド数を減らし、手厚い医療を必要としない患者を自宅や介護施設などの治療に切り替える方針を示していることで、最近は在宅診療がクローズアップされています。
これらのことから、在宅診療でクリニック開業するメリットは、どこに住んでいても、一人ひとりに合った医療・介護サービスを提供できる訪問診療へのニーズがますます高まる可能性があり、クリニック経営が安定する可能性があります。
訪問診療クリニック開業のデメリットとしては、厚生労働省「在宅医療のみを実施する医療機関に係る保険医療機関の指定の取扱いについて」の概要を満たすために、開業後に、拘束される時間が、他の診療科に比べて長くなること。また、1名の保険医だけでは対応しきれないために、人件費などのコストが高いことです。
在宅診療でクリニック開業初期投資資金額は、約1,500万円から1,700万円と言われています。他の診療科に比べると初期の投資額は少なくなります。
在宅医療に取り組むにあたり在宅診療・往診を中心に取り組む在宅療養支援所にするか、在宅専門の在宅診療支援所にするのか検討が必要です。また、在宅医療に取り組むクリニックの開業エリアなど、いろいろと検討する必要があります。クリニック開業を成功させるには、福岡でクリニック開業支援実績があり、福岡の地域性や医療事情に精通している会社に相談するのがおすすめ。コンサル費無料で対応している会社もあるので、一度相談してみてください。
クリニック開業を成功させるには、その地域ならではの情報と開業の流れを熟知しているプロに相談するのがおすすめです。当サイトでは、福岡エリアのクリニック開業支援実績があり、無料で開業支援サービスを提供している会社を厳選。
開業時にこだわりたいポイント別におすすめの会社を紹介しています。
