福岡市南区の医療需要は、今後も全国平均を上回る水準で、右肩上がりに伸び続けていくと予想されています。
日本医師会が運営する地域医療情報システム（JMAP）が公表している、福岡市南区の医療需要指数（2020年の国勢調査に基づく需要量を100とした指数）によると、2025年には105、2030年には109と上昇が続き、2045年には117まで拡大する見込みです。最長の2050年時点では120に達するとされており、長期的にも安定した医療ニーズの成長が期待できます。
これは、福岡市南区における高齢化の進行と人口のボリューム維持が大きな要因とされており、とくに75歳以上の高齢者層の増加に伴い、内科や整形外科、在宅医療などへのニーズが高まると考えられます。
10年以内に65歳以上の高齢者人口が着実に増加すると予測されている福岡市南区。とくに75歳以上の後期高齢者は、2020年の29,941人から2045年には45,139人まで増加する見込みで、約1.5倍に達する勢いです。この傾向から、今後は内科・循環器内科・整形外科・在宅医療といった高齢者向け診療科のニーズがより一層高まると考えられます。
一方で、0〜14歳の年少人口は2020年時点で36,109人だったのに対し、2045年には32,590人へと約10％減少すると予測されており、小児科や産婦人科など若年層を対象とする診療科は、今後需要の伸びが限定的になると推測されます。
また、生産年齢人口（15～64歳）は現在がピークで、2045年には総計でおよそ150,783人まで減少すると見込まれています。現役世代をターゲットとする生活習慣病対策や予防医療のニーズは一定数保たれると見られるものの、地域の年齢構成は今後、明確に高齢者偏重へとシフトしていくことが予想されます。
福岡市南区では、診療科によって競合の激しさに大きな差が見られます。
特に内科・外科はすでにクリニック数が多く、開業時には差別化が求められる分野です。
いずれも全国平均並み〜超えで、高い競合環境にあるといえます。
一方で、以下の診療科は全国平均を大きく下回っており、新規開業の余地がある狙い目分野です。
| 診療科目 | 南区の施設数 （人口10万人あたり） |
全国平均 | コメント |
|---|---|---|---|
| 小児科 | 11.30 | 16.27 | 子育て世帯の多い地域にも関わらず少ない |
| 皮膚科 | 6.78 | 10.05 | 美容皮膚なども含めてニーズに余白あり |
| 眼科 | 5.65 | 6.34 | 高齢化により今後ニーズ上昇が見込まれる |
| 耳鼻咽喉科 | 3.39 | 4.47 | ファミリー層向けの立地で効果的 |
このように、皮膚科・耳鼻咽喉科などは全国平均を大きく下回っており、競合が比較的少ない狙い目の診療科目と言えます。一方、小児科は施設数こそ全国平均を下回っているものの、年少人口の減少が進む中で将来的な需要の伸びは限定的と見られます。
そのため、開業を検討する場合は、地域に密着した丁寧な診療や、予防接種・健診などニッチなサービスを通じて差別化を図る視点が重要です。
2021年時点の集計によると、福岡市南区で活動している医師数は約947名にのぼります。
人口10万人あたりの医師数は約356.77人で、全国平均（約305.25人）を大きく上回っており、全国的に見ても医師の供給水準が高い地域だと言えます。これは福岡市全体の医療資源が充実していることに起因しており、南区単体でもその傾向が色濃く表れています。
一方で、医師数の多さは競合の激しさにもつながるため、これから開業を検討する場合は、診療科の選定や立地戦略、専門性による差別化がより重要になってきます。
また、すでに一定の医師密度がある一方で、人口ボリュームや通院ニーズも根強いため、周辺地域との連携や在宅対応、ニッチな専門領域などに活路を見出すことで、持続的な集患が期待できるエリアでもあります。
福岡市南区で開業したクリニックの事例を取り上げています。開業場所の立地や注目ポイント、開業支援を依頼した会社などについて紹介しているので、これから南区で開業したいと考えている方は参考にしてみてください。
白を基調とした落ち着いた外観に加え、大きな窓から自然光が差し込む待合室、車での通院にも便利な広めの駐車場など、通いやすさと居心地の良さを両立した設計が印象的なクリニックです。
「よこやま内科」は、糖尿病・内分泌・代謝疾患に専門性を持つクリニックとして、福岡市南区野間に開院。院内はバリアフリー設計で、検査室や診察室への動線もスムーズに整えられています。
開業支援を行ったのは、福岡市南区を拠点とし地域密着型の薬局展開とクリニック支援に強みを持つ「有限会社野間薬局」。物件の選定から近隣エリアの診療需要分析、開業後の調剤薬局との連携まで一貫して支援を行っています。
| 会社名 | 有限会社野間薬局 |
|---|---|
| 所在地 | 福岡市南区野間2丁目1－1 |
| 電話番号 | 092-511-3436 |
| 電話受付 | 記載なし（定休日：記載なし） |
| 公式サイトURL | https://nomapharmacy.com/doctor_support/ |
「きもつき呼吸器内科クリニック」は、福岡市南区曰佐に開院。一般内科に加えて、気管支喘息やCOPD、禁煙外来など呼吸器分野に専門性を持ち、地域のかかりつけ医として幅広いニーズに対応しています。
開業支援を行ったのは、福岡県を拠点に医療モール開発や不動産ネットワークを強みとする「タカラ薬局」。診療圏調査や物件紹介に加え、薬局併設型クリニックの実現を含む総合的なサポートで、スムーズな開業を支援しています。
| 会社名 | 株式会社 タカラ薬局 |
|---|---|
| 所在地 | 福岡市博多区博多駅前4-8-16 BRKビル |
| 電話番号 | 092-436-2900 |
| 電話受付 | 記載なし（定休日：記載なし） |
| 公式サイトURL | https://takara-kaihatsu.com/ |
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