大牟田市では、人口減少と高齢化が同時に進んでおり、今後のクリニック開業では現在の医療需要だけでなく、中長期的な患者数の変化まで見据えた診療圏の設定が重要となります。
日本医師会が運営する地域医療情報システム(JMAP)によると、大牟田市の人口は2020年時点で111,281人です。将来推計では2025年に104,141人、2030年に97,436人、2045年には78,222人、2050年には72,520人まで減少すると見込まれています。
JMAPが示している年齢別人口と医療需要の算定方法をもとに計算すると、2020年を100とした医療需要は2025年に約99、2030年に約95、2045年には約78となる計算です。高齢化によって一定の受療需要は見込まれるものの、長期的には人口減少の影響が大きく、医療需要そのものも縮小していく可能性があります。
大牟田市の人口構成で特徴的なのが、全国平均を大きく上回る高齢化率です。2020年時点の65歳以上人口は41,828人で、高齢化率は37.60%となっています。全国平均の28.60%と比べても、高齢者の割合が高い地域です。
65歳以上の人口そのものは2025年の40,711人、2030年の38,778人と今後減少していく見込みですが、75歳以上の後期高齢者については、2020年の22,156人から2025年には24,594人、2030年には25,200人まで増加すると推計されています。その後は減少に転じるものの、当面は後期高齢者の医療需要が高い状態が続くことが予想されます。
そのため、内科や循環器内科、整形外科をはじめとした慢性疾患への対応に加え、複数疾患を抱える高齢者への総合的な診療や在宅医療、介護施設との連携などが重要になるでしょう。
一方、0~14歳の年少人口は2020年の12,201人から2030年には9,481人、2045年には7,335人まで減少する見込みです。若年層を主な患者とする診療科で開業する場合は、市全体の人口だけではなく、子育て世帯が多い住宅地や近隣自治体からの流入などを含めた診療圏調査が必要です。
地域医療情報システム(JMAP)の掲載情報によると、大牟田市には一般診療所が93施設あり、人口10万人あたり83.57施設となっています。全国平均の70.32施設を上回っており、人口規模に対して診療所が比較的多い地域です。
診療科目別でも、内科系・外科系・小児科系をはじめ、多くの診療科で全国平均を上回っています。
なかでも小児科系は全国平均を大きく上回っています。今後は年少人口の減少も予測されているため、小児科で新規開業する場合は、既存医院との競合状況と将来の患者人口を慎重に確認する必要があります。
一方、皮膚科系や精神科系は全国平均を下回っています。
ただし、施設数が全国平均を下回っているからといって、そのまま開業余地が大きいとは限りません。大牟田市は熊本県荒尾市とも隣接しているため、県境を越えた患者の受療行動や周辺医療機関まで含めて診療圏を分析することが重要です。
地域医療情報システム(JMAP)の集計によると、大牟田市の医療機関で勤務する常勤医師数は371人です。
人口10万人あたりでは333.39人となっており、全国平均の256.98人を上回っています。また、市内には21の病院があり、病院病床数も4,058床と、人口に対して医療資源が多い地域です。
大牟田市では大牟田市立病院や福岡県済生会大牟田病院などをはじめ、複数の病院と診療所によって地域医療が支えられています。新規開業では患者獲得だけを考えるのではなく、既存病院との病診連携や、自院が地域の医療提供体制の中でどの役割を担うかを明確にすることが重要です。
大牟田市でクリニックを開業する際に確認しておきたいのが、福岡県の外来医療計画です。大牟田市・柳川市・みやま市で構成される「有明医療圏」は、外来医師多数区域に指定されています。
福岡県では、外来医師多数区域で無床診療所を新規開業する場合、原則として地域で不足している外来医療機能を担うことを求めており、「新規開業に伴う外来医療提供等報告書」の提出が必要です。
そのため、開業予定地周辺の競合状況だけではなく、夜間・休日の初期救急や在宅医療、公衆衛生など、地域で不足している医療機能をどのように担えるかについても、事業計画の段階から検討しておく必要があります。
大牟田市は、市の都市計画マスタープランにおいて、吉野・手鎌・三池・中央・三川・勝立・駛馬など、地域ごとの特性を踏まえたまちづくりが進められています。市内には鉄道駅を中心とした市街地から郊外の住宅地まであり、開業場所によって患者の年齢層や来院手段が異なります。
JR鹿児島本線・西鉄天神大牟田線が乗り入れる大牟田駅から、西鉄新栄町駅にかけての中央地域は、市役所や商業施設、公共施設などが集まる大牟田市の中心市街地です。
公共交通機関を利用する患者を取り込みやすい一方、既存の病院や診療所も多い地域です。駅周辺での開業では、専門外来や診療時間、予約システムなどによる利便性の向上と、既存医院との差別化が重要になります。
三池地域には三池・羽山台・銀水などの住宅地が広がっており、JR銀水駅や西鉄銀水駅などを利用できる地域もあります。大牟田市の都市計画では、自然と都市の間に位置する居住性の高い地域として、安全性や生活利便性を維持・向上させる方針が示されています。
住宅地を中心とした診療圏を形成しやすいため、高齢者の慢性疾患から現役世代の日常的な疾病まで幅広く相談できる地域密着型クリニックとの親和性があります。車で通院する患者を想定した場合は、駐車場の確保も重要です。
市北部の吉野・倉永・上内周辺は、住宅地と自然環境が共存する地域です。九州新幹線の新大牟田駅も市北部に位置しており、市中心部とは異なる生活圏が形成されています。
駅周辺や幹線道路沿いであれば、市内北部だけでなく周辺地域から車で来院する患者も想定できます。開業時には駐車スペースや道路からの視認性を確保し、地域の生活動線上で通いやすい立地を選ぶことがポイントです。
市南部から南東部に位置する三川・勝立・駛馬地域には、昔からの住宅地が広がっています。大牟田市は2020年時点ですでに高齢化率が37%を超えているため、こうした住宅地で開業する場合は、高齢者の通院環境についても考慮する必要があります。
内科などの外来診療だけでなく、在宅医療や介護事業所、地域包括支援センターなどとの連携を視野に入れることで、高齢化が進む地域の医療ニーズに対応しやすくなるでしょう。
大牟田市で開業したクリニックの事例を紹介します。診療科目や立地、開業時に受けた支援などを確認し、大牟田市でクリニックを開業する際の参考にしてください。
「春日クリニック」は、大牟田市青葉町に開院した形成外科を中心とするクリニックです。保険診療に加えて美容診療にも対応しており、患者の症状や希望に応じて幅広い選択肢を提供しています。
開業を支援した山下医科器械によると、開業地・物件紹介から事業計画書の作成、設計・建築、医療機器選定、各種申請、WEBサイトまで幅広い支援を受けています。形成外科という専門性を軸にしながら、地域内で他院との差別化を図った開業事例といえるでしょう。
| 会社名 | 山下医科器械株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 福岡県福岡市博多区下川端町2-1 博多座・西銀ビル10F |
| 電話番号 | 0120-945-301 |
| 電話受付 | 9:00~18:00(定休日:土・日・祝) |
| 公式サイトURL | https://kaigyou-michishirube.com/ |
「かみむら耳鼻咽喉科」は、大牟田市明治町に開院した耳鼻咽喉科クリニックです。新栄町駅にも比較的近い市街地で、地域住民が通院しやすい場所にクリニックを構えています。
開業支援を行った山下医科器械は、事業計画、設計・建築、医療機器選定、プロモーション、WEBサイトなどをサポートしています。大牟田市は人口10万人あたりの耳鼻咽喉科系診療所数が全国平均を上回っているため、競合環境の中で立地や診療体制を整えて開業した事例として参考になります。
| 会社名 | 山下医科器械株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 福岡県福岡市博多区下川端町2-1 博多座・西銀ビル10F |
| 電話番号 | 0120-945-301 |
| 電話受付 | 9:00~18:00(定休日:土・日・祝) |
| 公式サイトURL | https://kaigyou-michishirube.com/ |
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